カオスと量子物理学
SGCライブラリ - 1
カオスと量子物理学
パラダイムの交差点に挑む
中村勝弘 著
1997年5月25日 初版発行
カオスの出現と断熱不変量の量子化の破綻
次元振動子の保存系カオスを考える:
力学変数を から へ正準変換:
- 作用変数:
- 角変数:
全ての軌道は、適当な半径 と で特徴づけられたトーラスの表面に巻きついた周期的あるいは準周期的軌道となる。
この系に非可積分摂動を与える:
- 摂動が十分小さい場合
- の項を消去する作用変数・角変数が存在する。
- 元のトーラスは変形し、新しいトーラスができる:KAM トーラス
- 摂動が大きい場合
- の項を消去する作用変数・角変数が得られない。
- トーラスは破裂し、軌道は無限個の破片を再帰性なく巡る:カオス