複雑系脳理論
SGCライブラリ - 13
複雑系脳理論
「動的脳観」による脳の理解
津田一郎 著
2002年2月10日 初版発行
脳の見方
仮説:
- 感覚情報は不完全であるので、脳がこれらの情報を解釈し統一的な知覚世界を形成するためには条件が必要である。
- この条件は解釈学の先行的理解に等しい。
先行的理解の第一原理:
- 脳は世界の内側にいながら世界の外から世界を観測することができるようになる。
- すなわち、主観と客観を共に形成できる。
先行的理解の第二原理:
- 脳は物体の連続性、空間移動に対する不変性を獲得でき、それが普遍であることを知る。
- すなわち、脳にとって物理学はアプリオリに真なる体系である。
基本先行的理解:
- 第一:自己中心座標と物体中心座標の間に変換が存在する。
- 第二:世界の境界はその世界の住人にとっては正曲率であり、こちらに向かっては飛び出さない。
- 第三:世界に存在する物体は円柱や球で近似できる。
- 第四:物体の空間における一次変換に対する体性感覚により得られる不変性は物体によらない。
- 第五:光は斜め上方から差し込む。
脳活動の力学系解釈:低次元アトラクターによる解釈から高次元遍歴による解釈へ
- ニューロン の出力:
- ニューロン から へのシナプス結合の強さ:
- ニューロン の閾値:
- ニューロン の入出力関数:
各ニューロン の出力:
- with probability for each
- with probability for each