物理ノート

サイエンス社「数理科学」SGCライブラリの読書メモ

制御理論講義

SGCライブラリ - 40

制御理論講義

体系的理解のために

木村英紀 著

2005年6月25日 初版発行

制御系の設計

状態方程式: {\dot{x} = f(x,u)}

  • 状態: {x(t) \in R^n}
  • 操作量: {u(t) \in R^r}

出力方程式: {z = h(x,u)}

  • 制御量: {z \in R^m}

制御量の望ましい値  {z = z_d} に対応して、望ましい状態の値  {x_d} と操作量  {u_d} は、以下を満足しなければならない:

  •  {f(x_d,u_d) = 0}
  •  {h(x_d,u_d) = z_d}

任意の値の制御量を実現できるためには、操作できる量の数は少なくとも制御しようとする量の数だけなければならない。

  • 大域的漸近安定
    • 任意の初期状態から出発して、時間と共に  {x(t)} {x_d} に漸近する。
  • 大域的に安定
    • 任意の初期状態から出発して、一定時間後は {x(t)} {x_d} の距離が初期状態に依存する一定値以内にとどまる。
  • 局所的に漸近安定
    • 初期状態が  {x_d} の十分近くにあれば、 {x(t)} {x_d} に漸近する。
  • 局所的に安定
    • 初期状態が  {x_d} の十分近くにあれば、 {x(t)} {x_d} の距離が初期状態に依存する一定値以内にとどまる。

線形化方程式:

 {\dot{x}^{\prime} = Ax^{\prime} + Bu^{\prime}}

  •  {\displaystyle A = \left[\frac{\partial f}{\partial x}\right]_{x_d,u_d}}
  •  {\displaystyle B = \left[\frac{\partial f}{\partial u}\right]_{x_d,u_d}}
  •  {x^{\prime}(t) = x(t) - x_d}
  •  {u^{\prime}(t) = u(t) - u_d}

線形化方程式  {\dot{x}^{\prime} = Ax^{\prime}} が漸近安定であれば、微分方程式  {\dot{x} = f(x,u_d)} の解  {x(t) = x_d} は局所的に漸近安定である。

 {\dot{x}^{\prime} = Ax^{\prime}} が漸近安定でなければ、フィードバックによって安定化することが必要である。

  •  {x^{\prime} = (A + BK)x^{\prime}}
  • 状態フィードバック: {u^{\prime} = Kx^{\prime}}
  • 操作量: {u = u_d + K(x - x_d)}

 {A + BK} が漸近安定となるように  {K} を選べば、もとのシステムは局所安定となる。

モデリング

線形システムの構造

安定性

状態推定

フィードバック制御

ロバスト制御