ソリトンと物理学
SGCライブラリ - 49
ソリトンと物理学
戸田盛和 著
2006年7月25日 初版発行
ソリトンの発見
浅水波の時間変化を記述する方程式:KdV 方程式
- 波による水の高まり
- 水深 の波の速さ
- 速度 で波の方向に進む座標
孤立波解
- 孤立波の波高
- 座標系 に対する孤立波の速度
- 静止した運河の水に対する孤立波の速度
ソリトンの固有値
個のソリトンのみからなる解を ソリトン解という。
Kdv 方程式を
としたときの ソリトン解
- 番目のソリトンの強さ ()
- ソリトンの位置に関係したパラメータ
ソリトンの固有値
KdV 方程式
に付随する固有値方程式として、以下を考える。
境界条件は で とする。
が KdV 方程式にしたがって時間的空間的に変化するとき、 をパラメータとする固有値方程式の固有値 はすべて一定に保たれる。
格子振動グループの発足
質量 の 個の粒子がバネによって結ばれた 次元体系を考え、 番目と 番目の粒子の間のバネの力の定数を とする。
左端()の粒子は固定されていて、右端()の粒子は自由であるとする。
全運動エネルギー
- 一般座標
- に正準共役な運動量
を任意の定数として
とおけば、 と は正準共役な座標と運動量の組になる。
この体系と双対な体系:
固定端は双対系の自由端に対応し、自由端は双対系の固定端に対応する。