相対性理論
SGCライブラリ - 56
相対性理論
基礎から実験的検証まで
三尾典克 著
2007年6月25日 初版発行
物理法則と座標系
マイケルソン・モーリーの実験
エーテルに対する地球の運動を測定する。
光源から出た光はビームスプリッターで直交する光路に分けられ、それぞれの鏡 で反射されてもとに戻り、再びビームスプリッターで重ね合わされて干渉する。
- :それぞれの光路を往復してきた光の位相
- :光源が放出する単色光の振動数
- :それぞれの光路を光が往復するために必要な時間
干渉系がエーテルに対して速度 で、 の方向に進んでいるとする。
位相差を読み取れば、エーテルに対する干渉系の運動が検出できるはずだが、実験で位相差は観測されなかった。
特殊相対性理論
- 特殊相対性原理
- 光速度不変の原理
重力と等価原理
アインシュタインの等価原理:
- 弱い等価原理が成り立つ。(Weak equivalence principle, WEP)
- 特殊相対性理論に基づき構築された全ての物理法則は、局所慣性系において成り立つ。(Local Lorentz invariance, LLI)
- 物理法則や物理定数の値は、いついかなる場所でも同じである。(Local position invariance, LPI)
一般相対性理論とリーマン幾何学
微分演算の記法:
コンマ・セミコロンルール
特殊相対性理論に基づいて定式化された方程式に関して、計量テンソルを に、偏微分(コンマ)を共変微分(セミコロン)に置き換える操作で定式化を行う。
これにより得られた方程式は、一般座標変換に対するテンソル方程式となり、一般共変性原理を満たす。
ある曲線 に対して、接線ベクトル を曲線に沿って移動させると、それが平行移動になっている場合を考える。
測地線方程式:
局所ローレンツ系:
リーマンテンソル:
リッチテンソル:
スカラー曲率:
アインシュタインテンソル: