超重力理論
SGCライブラリ - 82
超重力理論
超弦理論における役割
谷井義彰 著
2011年4月25日 初版発行
序論
重力場
重力を表す力学変数として計量 を使う。(計量形式)
重力場 に対するラグランジアン
- 第1項:Einstein 項
- 第2項:宇宙項
- は Newton 定数
- は宇宙定数
- スカラー曲率:
- Ricci テンソル:
- Riemann テンソル:
- Christoffel 記号:
共変微分
Einstein 方程式
は重力場以外の場のエネルギー・運動量テンソル
ラグランジアンは任意のベクトル関数 を変換パラメータとする無限小一般座標変換に対して、全微分の形の項だけ変化する。
重力場をスピノール場に結合させるには、多脚場形式による定式化を使う必要がある。
多脚場(vielbein)
局所 Lorentz 変換
多脚場で記述された重力理論は、一般座標変換と局所 Lorentz 変換に対する対称性を持っている。
局所 Lorentz 変換に対するゲージ場:スピン接続
ベクトル に対する共変微分
スカラー場
非線形シグマ模型
- はスカラー場が値をとる空間の計量
- はスカラー場のポテンシャル
スカラー場の一般座標変換
スピノール場
スピノール場 は一般座標変換に対してはスカラー場として変換し、局所 Lorentz 変換に対しては以下のように変換。
重力場に結合した質量 のスピノール場のラグランジアン
Yang–Mills 場
ゲージ群 に基づいた Yang–Mills 場は、ベクトル場 で表される。()
- は相互作用の強さを表すゲージ結合定数
Yang–Mills 場の場の強さ
Yang–Mills 場のラグランジアン
反対称テンソル場
階の反対称テンソル場 を考える。
場の強さを表す 階のテンソル
場の強さは反対称テンソル場のゲージ変換に対して不変。
変換パラメータ は、添字について完全反対称である以外は任意の関数。
- Bianchi 恒等式:
- Hodge 双対:
重力場以外との相互作用のない場合のゼロ質量のラグランジアン(Maxwell 型のラグランジアン)
このラグランジアンから導かれる場の方程式