数理物理学としての微分方程式序論
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数理物理学としての微分方程式序論
小澤徹 著
2016年11月25日 初版発行
序論 微分方程式の記述する現象とは何か
物理学に現れる微分方程式
- ニュートンの運動方程式
- ナビエ・ストークス方程式
- ボルツマン方程式
- マクスウェルの方程式
- シュレーディンガー方程式
- ディラック方程式
力とベクトル場
アフィン空間
空でない集合 、係数体 上のベクトル空間 に対し、次の2つの条件を満たす から への写像の族 が与えられているとき は を基準ベクトル空間とするアフィン空間という。
- 並進群の表現:任意の に対して
- 平行移動を実現するベクトルの存在:任意の に対して唯一つの が存在して
一点 に対し、基準ベクトル空間 の元 との組 からなる集合を とする。
ベクトル空間 の元 を点 に関する点 の位置ベクトルという。
ベクトル場
ニュートン力学における配位空間 とは実ベクトル空間を基準とするアフィン空間であると定義する。
各点 に対し、位置ベクトルのなす空間 を接空間といい と表す。
写像 で を満たすものをベクトル場という。( は第一成分への自然な射影)
ニュートン力学の基礎的枠組み
ガリレイ時空
実ベクトル空間 を基準ベクトルとするアフィン空間 がガリレイ時空であるとは、零でない線形形式 が存在し、 の部分空間 自身が でないノルム空間であることと定義する。
- の点を事象という。
- を時間間隔という。
- 事象 と が同時であるとは、 であることと定義する。
- 事象 に対し同時事象の全体を と表す。
ガリレイ時空 内の写像 は次の3つの条件を満たすときガリレイ変換であるという。
- アフィン同型: が存在し任意の に対し
- 時間間隔の保存:任意の に対し
- 同時事象間の距離の保存:任意の に対し かつ
相空間
ニュートン力学
- 質点の運動:
- 質点の速度:
- 質点の状態:
- 力の場:相空間 上の二階のベクトル場
ニュートンの運動方程式
常微分方程式の初期値問題の局所解
バナッハの不動点定理
リプシッツ条件
カントールの対角線論法
アスコリ・アルツェラの定理