SGCライブラリ - 47
現代物理数学への招待
ランダムウォークからひろがる多彩な物理と数学
鈴木淳史 著
2006年5月25日 初版発行
確率論の復習
確率変数 が連続的に
に値を持つとする。
- 平均値:
- 偏差:
- 観測値が
から
以上離れている確率:
チェビシェフの不等式
同一の確率分布に従う独立な 個の確率変数
の平均:
大数の法則
の極限で
は確率
で
の平均値
に収束する。
特性関数 を分布関数のフーリエ変換で定義する。
キュミュラント母関数 :
の分布関数
を
の特性関数を用いて書く。
のゆらぎは小さいとすれば、積分にもっとも寄与するのは
を極大にする
のまわりである。
中心極限定理
のゆらぎが小さいとき、
は平均値
の周りに分散
のガウス分布をする。
ランダムウォークの数理
次元格子上を、単位時間に右または左に進むランダムウォークを考える。
から出発して
歩進んだ後、
にいるようなランダムウォークの軌跡の総数(配位数)
項係数の添字が整数にならなければゼロとする。
左側()に壁のあるランダムウォーク:
左側()および右側(
)に壁のあるランダムウォーク:
格子フェルミオン法
- ランダムウォーカーが
にいる一粒子状態
- 1ステップの生成演算子
周期的境界条件:
は
ステップの後のすべての可能な一粒子状態
の重ね合わせ:
(
)
粒子からなる系の配位数は
行列の行列式で与えられる: