超弦理論の基礎
SGCライブラリ - 80
超弦理論の基礎
弦とブレーンの導入から
今村洋介 著
2011年1月25日 初版発行
ボゾン的弦理論
無限に広がった 次元の平坦な時空の中を弦が運動している様子を考える。(背景時空)
- 背景時空の直交座標 ()
- は時間座標
- ()は空間座標
ローレンツ変換の下で不変な計量
弦の世界面上に任意の座標 を導入し、その関数として時空の座標 を与える。
のように書き、まとめて と表す。
座標 によって張られる世界面を時空とみなす観点では、弦理論は2次元の場 の理論であるということもできる。(共形場理論)
南部–後藤作用
世界面の面積
- :弦の張力
- :誘導計量
閉弦の境界条件
補助場 を導入し、作用を変形する。(ポリヤコフ作用)
- :固有計量
- は の逆行列
- は行列式
弦のスペクトル
基底状態:
エネルギーは零点エネルギーのみの寄与によって与えられる。
であることを仮定すれば、質量の2乗が負となる。(タキオン)
第一励起状態:
弦の第一励起状態を 次元時空の場の自由度と解釈できるためには、 次元時空には2階のテンソル場が存在し、それが零質量場である必要がある。
(臨界次元)
弦のモード | 対応する 次元の場 |
---|---|
の対称トレース部分 | 重力場 |
のトレース部分 | ディラトン場 |
の反対称部分 | Kalb–Ramond 場 |
超弦理論
超対称性:ボゾンとフェルミオンの間の対称性
Ramond–Neveu–Schwarz (RNS) の定式化:
時空座標 それぞれについて対になるフェルミオン場 を導入する。
世界面上の超対称性