複素多様体論講義
SGCライブラリ - 94
複素多様体論講義
広範な基礎を身につけるために
辻元 著
2012年10月25日 初版発行
多変数関数論からの準備
に対して、 で の近傍で正則な関数全体の集合に同値関係
の或る近傍 が存在して は で正則かつ
を入れたものとする。
を における正則関数の芽の集合という。
擬多項式:
が でない定数で のとき、特殊擬多項式またはワイエルストラス多項式という。
ワイエルストラスの予備定理
に対し が の近傍で正則で かつ とする。
は の近傍で以下のように表示される:
- : を中心とする特殊擬多項式
- : の近傍で にならない正則関数
正則関数の零点集合は、十分小さな近傍に限れば変数が一つ少ない正則関数上の多項式環の元の零点集合として書ける。
ワイエルストラスの割り算定理
()を の原点の近傍で正則な 次の特殊擬多項式とする。
このとき の原点の近傍で正則な関数 に対して、原点の近傍で正則な関数 と 次以下の特殊擬多項式 が存在して
となる。