例題形式で学ぶ現代素粒子物理学
SGCライブラリ - 48
例題形式で学ぶ現代素粒子物理学
川村嘉春 著
2006年6月25日 初版発行
場の量子論
量子電磁力学(QED)のラグランジアン密度
$$ \begin{align} \mathcal{L}_{\mathrm{QED}} &= c\bar{\psi}(x)\left(i\hbar\gamma^{\mu}\left(\partial_{\mu} - i\frac{e}{\hbar}A_{\mu}(x)\right) - mc\right)\psi(x) \\ &\quad - \frac{1}{4\mu_0}(\partial_{\mu}A_{\nu}(x) - \partial_{\nu}A_{\mu}(x))(\partial^{\mu}A^{\nu}(x) - \partial^{\nu}A^{\mu}(x)) \end{align} $$
QED の対称性:
- 並進不変性
- 本義ローレンツ不変性
- 位相変換不変性
- :実定数
- ゲージ不変性
- 空間反転不変性
- :実定数
- 時間反転不変性
- :実定数
- 荷電共役不変性
- :実定数
のときに(古典的に)成立する対称性:
- 軸性 変換不変性
- :実定数
- スケール変換不変性
- :実定数
大局的な連続変換に関する対称性については、ネーターの定理により、ネーターカレントと呼ばれる保存カレントが存在する。
崩壊の理論
- 崩壊:
- 崩壊: 線
- 崩壊:
フェルミ理論の相互作用ハミルトニアン密度:
- :陽子
- :中性子
- :電子
- :電子ニュートリノ
中間子論
陽子と中性子をアイソスピン空間の 次元ベクトルと考える。
物理系はアイソスピン空間内の回転を表す 変換の元で不変:
- :実定数
- :パウリ行列
湯川理論
場の量子論では、力とは粒子の間で力を媒介する粒子をやりとりすることにより伝わる相互作用であると理解される。
中間子:アイソスピン 重項
$$ \begin{align} \mathcal{L}_{\mathrm{Yukawa}} &= c\bar{N}(x)\left(i\hbar\gamma^{\mu}\partial_{\mu} - m_Nc - \frac{f}{c}\Gamma\sum_a\tau^a\pi^a(x)\right)N(x) \\ &\quad + \frac{\hbar c}{2}\sum_a\left(\partial_{\mu}\pi^a(x)\partial^{\mu}\pi^a(x) - \left(\frac{m_{\pi}c}{\hbar}\right)^2\pi^a(x)\pi^a(x)\right) \end{align} $$
中間子の質量と寿命:
アイソスピン多重項の間の質量差は極めて小さい:
中間子のスピンは で、固有パリティの値は であることから、 中間子は擬スカラー粒子と考えられる。