演習 くり込み群
SGCライブラリ - 61
演習 くり込み群
確かな理解と修得を目指して
柏太郎 著
2008年1月25日 初版発行
くり込みの基礎
質量 の調和振動子に非調和項 を含めた Langrangian:
運動方程式の解:
- :遅延グリーン関数
- :相互作用のない()振動子
を初期条件 の下で解き、 の2次までを考慮する。
同じ問題を量子力学で考える。
- :運動量演算子
- :座標演算子
相互作用の効果を含めた運動方程式:
- :遅延グリーン関数
- :先進グリーン関数
は漸近場(それぞれ、in-場、out-場、まとめて と書く)と呼ばれる。
漸近場と座標・運動量はユニタリー変換 で結ばれている:
は相互作用 Hamiltonian を表す:
漸近場の生成・消滅演算子を以下のように書く。
規格化された漸近場の 体状態を以下で定義する:
この 体状態は Hamiltonian の固有状態になっている。
Heisenberg 演算子 を真空 と1体状態 ではさんだとき
漸近場は相互作用のない場であるから、1体状態の波動関数 を基準にすると、相互作用のために の振幅は変化する。
を調節することで、こうした変化がなかったようにする(大きさを に戻す)操作をくり込みという。
対の漸近状態間の遷移確率振幅を -行列と呼ぶ。